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住宅ローン控除 2026年の変更点 — 借入限度額・子育て世帯の上乗せ・シミュレーションまで解説

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高に応じた金額を所得税・住民税から差し引ける制度です。2026年に入居する方にとっては、令和8年度税制改正大綱で決まった変更点を正確に把握しておくことが資金計画の出発点になります。この記事では「住宅ローン控除 2026 変更点」を軸に、省エネ区分別の借入限度額テーブル、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ措置、2024年から2026年の制度変遷、住宅種別と年収帯を掛け合わせた控除額シミュレーション、確定申告の流れまでを整理しました。

2026年の住宅ローン控除 — 6つの変更点

令和8年度税制改正大綱(2025年12月19日与党公表、同年12月26日閣議決定)により、住宅ローン控除は2026年1月1日から2030年12月31日の入居分に適用されることが決まりました。控除率0.7%・新築13年間という骨格は維持されたうえで、以下の6点が変わっています。

適用期限が5年間延長されました。2025年末で終了する予定だった制度が、2030年12月31日入居分まで使えるようになっています。

床面積要件が50m2以上から40m2以上に緩和されました。合計所得金額1,000万円以下の方であれば、コンパクトな住宅でも控除を受けられます。ただし子育て世帯等の上乗せ措置を利用する場合は50m2以上が必要です。

省エネ性能の高い既存住宅(中古住宅)の借入限度額が引き上げられました。認定長期優良住宅・ZEH水準省エネ住宅に該当する中古住宅は、従来よりも大きな借入限度額で控除を受けられます。

子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せ措置が既存住宅にも拡大されました。2025年までは新築住宅限定でしたが、2026年以降は中古住宅でも上乗せの恩恵が受けられます。

省エネ性能の高い既存住宅の控除期間が10年から13年に拡充されました。新築と同様に13年間の控除が受けられるケースが増えています。

将来の制限として、2028年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅(ZEH水準未満)の新築住宅は対象外になることが決まりました。あわせて2028年以降の入居分では、土砂災害特別警戒区域(いわゆる災害レッドゾーン)に建てた新築住宅も適用対象外となります。

借入限度額テーブル — 新築住宅・既存住宅を一覧で比較

住宅ローン控除の控除額は「年末ローン残高(ただし借入限度額を上限)x 0.7%」で計算されます。借入限度額は住宅の省エネ性能と世帯区分で決まるため、建築する住宅のグレードと家族構成が控除額に直結します。

新築住宅(買取再販含む)の借入限度額

住宅区分一般世帯子育て世帯等控除期間13年間の最大控除額(一般)13年間の最大控除額(子育て等)
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円5,000万円13年409.5万円455万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年318.5万円409.5万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年182万円273万円
その他の住宅対象外対象外---

子育て世帯等とは「19歳未満の扶養親族がいる世帯」または「夫婦いずれかが40歳未満の世帯」を指します。上乗せ措置を利用する場合、床面積は50m2以上が要件となる点に注意してください。

省エネ基準適合住宅(ZEH水準未満)は、2028年以降に建築確認を受ける新築から対象外になるため、2026年〜2027年の間に建築確認を受けておく必要があります。

既存住宅(中古住宅)の借入限度額

住宅区分一般世帯子育て世帯等控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年
その他の住宅2,000万円-10年

2025年までの既存住宅は控除期間が一律10年でしたが、2026年からは省エネ性能が高い中古住宅であれば13年間に延びています。中古住宅の購入を検討する方にとっては、省エネ性能の有無が控除期間3年分の差になるため、物件選びの際に住宅性能評価書や省エネ適合証明の有無を確認するメリットが大きくなりました。

省エネ区分によって借入限度額に最大3,000万円の差があり、13年間の控除額では273万円もの開きが生じます。認定長期優良住宅やZEH水準に対応しているハウスメーカーを幅広く比較するには、複数社の間取りプラン・見積もりを無料で一括請求できるサービスを使うのが効率的です。

2024年・2025年・2026年の制度変遷を比較する

住宅ローン控除は毎年のように限度額や要件が変わるため、「自分が入居する年」のルールを正しく把握する必要があります。2024年から2026年の主要な制度変遷を並べて整理しました。

項目2024年入居2025年入居2026年入居
控除率0.7%0.7%0.7%
控除期間(新築)13年13年13年
控除期間(既存・省エネ適合)10年10年13年
認定住宅等の限度額(一般)4,500万円4,500万円4,500万円
ZEH水準の限度額(一般)3,500万円3,500万円3,500万円
省エネ適合の限度額(一般)3,000万円3,000万円2,000万円
子育て世帯の上乗せ(新築)なしありあり
子育て世帯の上乗せ(既存)なしなしあり
床面積要件50m2(40m2緩和あり)50m2(40m2緩和あり)40m2(所得1,000万円以下)
災害レッドゾーン制限なしなし2028年以降入居で適用

2026年入居で特に注意すべきなのは、省エネ基準適合住宅の借入限度額が3,000万円から2,000万円に引き下げられた点です。一般世帯の場合、13年間の最大控除額が273万円から182万円に約90万円下がっています。ZEH水準以上の住宅を選ぶことで3,500万円の限度額を確保でき、控除面での不利を回避できます。

一方、子育て世帯にとっては2026年がプラスの年度です。新築に加えて中古住宅でも上乗せが適用されるようになり、さらに既存住宅の控除期間が13年に延びたことで、中古住宅の購入でも新築に近い控除メリットを得られるようになりました。

住宅種別 x 年収帯の控除額シミュレーション

借入限度額だけでは実際の控除額はわかりません。控除額の上限は「年末ローン残高 x 0.7%」ですが、その金額が所得税額を超える場合は、超えた分のうち住民税の課税総所得金額の5%(最大9.75万円)しか住民税からは控除されません。つまり年収が低いと控除しきれない「控除余り」が生じます。

以下のシミュレーションは、1年目の年末残高を借入額の98%(元利均等・35年・金利1.5%想定の概算)として、所得税と住民税の控除額を試算したものです。

ケース1: 年収500万円・借入3,000万円・省エネ基準適合住宅(一般世帯)

年末残高の概算は2,940万円。借入限度額2,000万円を超えるため、控除計算の上限は2,000万円です。控除額は2,000万円 x 0.7% = 14万円。年収500万円の所得税額は約14万円、住民税は約24万円程度のため、所得税から14万円が全額控除されます。13年間の累計では約160万円前後の控除が見込めます。

ケース2: 年収600万円・借入4,000万円・認定長期優良住宅(子育て世帯)

子育て世帯の借入限度額5,000万円の範囲内に収まるため、年末残高3,920万円が全額対象です。控除額は3,920万円 x 0.7% = 27.4万円。年収600万円の所得税額は約20万円のため、まず所得税から20万円を控除し、残りの7.4万円は住民税(上限9.75万円)から控除されます。1年目の控除額合計は27.4万円。13年間の累計では約310万円前後になると見込まれます。

ケース3: 年収800万円・借入5,000万円・ZEH水準省エネ住宅(子育て世帯)

子育て世帯のZEH限度額4,500万円が上限です。年末残高の概算4,900万円のうち4,500万円が控除対象で、控除額は4,500万円 x 0.7% = 31.5万円。年収800万円の所得税額は約47万円のため、31.5万円は全額所得税から控除されます。住民税からの控除は不要です。13年間の累計では約360万円前後の控除が見込まれます。

ケース4: 年収500万円・借入3,500万円・ZEH水準省エネ住宅(一般世帯)

年末残高の概算3,430万円に対し、一般世帯の限度額3,500万円の範囲内です。控除額は3,430万円 x 0.7% = 24万円。年収500万円の所得税額は約14万円のため、所得税から14万円を控除し、残り10万円のうち住民税の上限9.75万円が住民税から控除されます。1年目の控除額合計は23.75万円。控除しきれない0.25万円が「控除余り」になります。年収500万円台であればZEH住宅の限度額3,500万円を使い切るのはやや難しく、年収に見合った借入額の設定が重要です。

ケース1とケース4を比較すると、同じ年収500万円でも省エネ性能を上げることで1年目の控除額が14万円から23.75万円に増えています。13年間の累計差は約100万円を超える可能性があり、建築費の上乗せ分と控除増加分を天秤にかけて判断する材料になります。

住宅ローン全体の資金計画を検討する際は、住宅ローンの借入可能額の調べ方もあわせて確認してください。借入可能額から逆算して予算の上限を決める流れが整理されています。

確定申告の手続きと必要書類

住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。会社員であっても1年目は確定申告を行い、2年目以降は年末調整で対応できます。

確定申告に必要な書類

確定申告書(第一表・第二表)と住宅借入金等特別控除額の計算明細書を提出します。これに加えて、以下の書類が必要です。

省エネ区分によって提出する証明書が変わります。認定長期優良住宅は「認定通知書の写し」と「住宅用家屋証明書」、ZEH水準省エネ住宅は「住宅省エネルギー性能証明書」、省エネ基準適合住宅は「建設住宅性能評価書」がそれぞれ必要です。引渡しまでにハウスメーカーや工務店に発行を依頼しておくとスムーズです。

確定申告の期限は入居翌年の2月16日から3月15日まで。e-Taxを利用すればオンラインで完結し、還付金の振込みも書面提出より早い傾向があります。還付申告は入居翌年の1月1日から5年間提出できるため、期限内に間に合わなかった場合も5年以内であれば遡って申告可能です。

2年目以降は金融機関から届く年末残高証明書と、税務署から届く「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」を勤務先に提出すれば年末調整で控除が受けられます。

見落としやすい5つの注意点

住宅ローン控除を最大限に活用するためには、制度の細部を理解しておく必要があります。ここでは見落とされやすい論点を5つ取り上げます。

繰上返済と控除額の関係

繰上返済で年末残高が減れば翌年以降の控除額も下がります。特に控除率0.7%よりも実質金利が低い変動金利のローンを利用している場合、控除期間中に繰上返済するよりも控除終了後にまとめて返済するほうが有利になるケースがあります。金利動向と控除残年数を照らし合わせて判断してください。

さらに期間短縮型の繰上返済を行った結果、残りの返済期間が10年を切ると、その年から控除の対象外になります。繰上返済を検討する場合は残期間に注意が必要です。

ペアローンの活用

夫婦でペアローンを組むと、それぞれが住宅ローン控除を受けられます。借入限度額は一人あたりの金額なので、夫婦でそれぞれ4,500万円の限度額を持ち、世帯全体で9,000万円まで控除対象にできる計算です(認定住宅等の場合)。ただし持分比率と借入比率が乖離していると贈与税の論点が生じるため、ローン契約前に税理士への確認を推奨します。

ふるさと納税との併用

住宅ローン控除は所得税から先に控除され、控除しきれない分が住民税から差し引かれます。ふるさと納税のワンストップ特例を使っている場合は住民税から直接控除されるため、住宅ローン控除の住民税部分と重なって住民税の控除枠を超えないか事前に確認してください。超えた分は単なる寄付になってしまいます。

iDeCoとの組み合わせ

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額所得控除になるため、所得税の課税所得が下がります。課税所得が下がると住宅ローン控除で差し引ける所得税額が減り、控除しきれない部分が増える可能性があります。年収500万円前後で住宅ローン控除とiDeCoを併用する場合は、控除余りが出ないかシミュレーションしたうえで掛金を調整するのが堅実です。

つなぎ融資は控除対象外

注文住宅では土地を先行購入し、建物完成までの間「つなぎ融資」を利用するケースがあります。つなぎ融資自体は住宅ローン控除の対象外です。本融資に切り替えた後の年末残高が控除の計算対象になるため、土地購入時の融資と本融資の実行タイミングを整理しておく必要があります。

フラット35と変動金利の比較検討をしている方は、フラット35と変動金利の比較で金利タイプ別の特徴を確認できます。

よくある質問

住宅ローン控除で実際にいくら戻りますか

年末ローン残高 x 0.7%が控除額の上限で、実際に戻る金額は納税額が上限になります。年収600万円・認定長期優良住宅・借入4,000万円の場合、1年目の控除額は約27万円で、13年間の累計では300万円前後が見込まれます。年収が低いほど控除しきれない部分が生じるため、年収に見合った借入額の設定が控除を最大化するポイントです。

2026年に新築するなら省エネ基準適合は必須ですか

2024年以降、省エネ基準を満たさない新築住宅は原則として住宅ローン控除の対象外です。2026年に建てる場合は少なくとも省エネ基準適合住宅の認定が必要ですが、ZEH水準以上に引き上げれば借入限度額が3,500万円以上になります。2028年以降は省エネ基準適合住宅(ZEH未満)も新築の対象外になるため、今から建てるならZEH水準以上を検討する実益が大きいといえます。

中古住宅でも住宅ローン控除を受けられますか

受けられます。1982年(昭和57年)以降に建築された住宅、または耐震基準適合証明書等を取得した住宅が対象です。2026年からは省エネ性能の高い中古住宅の借入限度額が引き上げられ、控除期間も10年から13年に拡充されました。子育て世帯であれば上乗せ措置も適用されるため、新築と遜色ない控除メリットが得られるケースもあります。

確定申告を忘れた場合はどうなりますか

還付申告は入居翌年の1月1日から5年間提出可能です。期限内に確定申告をしなかった場合でも、5年以内であれば遡って申告できます。ただし遡及申告の場合は過去分の住民税控除が反映されないケースもあるため、初年度の確定申告はできるだけ期限内に済ませることを推奨します。

ペアローンと連帯債務はどちらが控除で有利ですか

ペアローンは夫婦それぞれが独立した契約で借り入れるため、それぞれが住宅ローン控除を受けられます。連帯債務の場合も各自の負担割合に応じて控除を受けられますが、負担割合の計算や持分比率との整合がやや複雑です。共働き世帯で双方に十分な所得税額がある場合、ペアローンのほうが控除枠を無駄なく使い切りやすい傾向があります。

注文住宅の資金計画全体を把握しておきたい方は、注文住宅の初期費用トータル — 土地+建物+諸費用の内訳で費用の全体像を確認してください。

住宅の省エネ性能と家族構成によって借入限度額と控除総額が大きく変わります。認定長期優良住宅やZEH水準に対応したハウスメーカーの建築プラン・見積もりを手元に並べて比較検討したい方は、注文住宅の無料一括資料請求で複数社のプランをまとめて取り寄せる方法があります。

まとめ

2026年入居の住宅ローン控除は、令和8年度税制改正により適用期限の5年延長、床面積40m2への緩和、既存住宅の控除期間13年化、子育て世帯の上乗せ拡大と、複数の改正が入りました。控除率0.7%・新築13年間の骨格は維持されていますが、省エネ基準適合住宅の借入限度額が2,000万円に下がった点と、2028年以降は省エネ基準適合住宅(ZEH未満)の新築が対象外になる点は見逃せません。ZEH水準以上の住宅であれば借入限度額3,500万円を確保でき、子育て世帯なら4,500万円まで広がります。繰上返済のタイミング、ペアローンの活用、ふるさと納税やiDeCoとの併用など細部の論点も含めて、建築プランと資金計画を同時に検討するのが控除を最大限に活かすための近道です。

住宅ローンの金利タイプを比較したい方はフラット35と変動金利の比較、補助金制度を確認したい方は2026年の住宅取得補助金一覧もあわせてご覧ください。

出典

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